進研学びラボは、1976年に松戸市で開校した松戸進研を源流として、松戸市の進研栗ヶ沢青葉台教室、柏市の進研沼南教室を運営しています。 小学生、中学生、高校生を対象として中間期末テスト対策から有名私立、公立受験まで幅広くサポートします。

指導方針

進研イーストの方針

「自学力」を身につけ「考える力」を育てる

答えだけを求める子供たちが増えてきています。
進研イーストでは、答えよりも答えにたどり着くための道筋を大切にした学習が大事、ということを最重要指導方針としています。
もうだいぶ前からになりますが、「考える」ことの苦手な子供が増えているような気がします。
特に最近目立つようになりました。
小学生であろうと高校生であろうと、年齢学年に関係なく「考える」ことを面倒くさがり、
いつのまにか「考える」ということがどういうことだったのかさえ、忘れてしまったのではないかと思わせる会話のやり取りもあります。
数年前、こんな質問を受けたことがあります。

「“考える”ことと“覚える”ことはどう違うんですか?」

当時、中3生だったこの子の質問に愕然とし、答えに窮したことを覚えています。
もう一つ、事例をお話しします。
これは毎日のように見かける生徒との会話です。
例えば、方程式計算の解法を指導しているとしましょう。

今説明が終わりました。

講師「では、次の問題を使って練習してみようね。」

生徒「(いきなり)解りません。」

講師「やる前から、解らない、なんて言ってないで、形を真似してやってごらん。」

生徒「今やった問題と違います。この問題はやったことがありません。」

講師「そりゃそうだ、だけど数字を変えてあるだけだよ。」

生徒「でもさっきとは違う問題だもん。」

すごいやりとりでしょ?

これは極端なやり取りではないんですよ。
多かれ少なかれ子供たちはこんな質問をしてきます。
1つ1つの問題を暗記することが学習だと勘違いしている子供が多いのです。
おそらく、中間・期末テストの直前勉強だけして成績を出してきたお子さんの大半は、その時期だけ集中して試験範囲の内容を「記憶」する学習をしてきたのでしょう。

そしてそれがいつの間にか当たり前になってしまっているのではないでしょうか。
皆様のお子様はどんな学習をされていますか。
確かに「考える」力を養う前に「記憶」は必要です。

方程式の理屈を教えるよりも、計算の仕方を体得させてしまうことが、子供たちにとって理解も速いし結果を出しやすいでしょう。
学校では理屈が先になりますから、子どもにとってつまらない授業になってしまっていることにも原因があります。
この点については“100マス計算”の陰山英男先生が、「学校現場でもそうした指導をしましょう」と、提唱はされていますから、機会があればお読みになってみてください。

「習うより慣れろ」は必要なことだとは思います。(←陰山先生の本を3冊ご紹介します。どれも私たちの勉強になります)

こんな状況ですから、「考える力」を育てる以前に「記憶」に頼る学習体質を改善しないと、成績の伸びに上限ができてしまいます。
どんなに成績が悪く入塾されても、「考える力」を体得できたお子さんの成績は、本人が「信じられない」と思うぐらいに伸びるものです。
そして一方で、家では勉強しない、宿題もあまりやらない、でもトップ校へ合格していくお子さんがいるのも現実です。
どこに違いがあるかと言えば、集中力と「考える力」の差だと考えています。

今、“学力の二極化”が進んでいると叫ばれていますが、それは「考える」か「記憶に頼るか」の学習方法の差も、大きく関係しているのではないかと考えられないでしょうか。

参考図書

※考える力の衰えについては、ゲーム脳が原因であるとい説もありますが、私は専門ではないので言及は避けます。

下に参考図書をご紹介しておきますので、気になるようでしたら図書館などで借りてきて一読してもよいでしょう。
この先生の提言は、医学的に証明されているわけではないので、一つの仮説に過ぎませんが、否定もできないとい点で教育サイドから見れば参考にはなると思います。

※「自分の脳を自分で育てる」という本があります。

こちらは脳研究の第一人者、川島隆太先生の「脳の活性化」についての、子供たちのために書かれた易しい解説書です。
こちらはお勧めの本ですから、購入してでもぜひ読んでみてください。





「考える力」について

「考える力」を身に付けるのは易しいことではありません。

しかし、1つでも多く、「工夫したら簡単に解けた」とか「図を使ったら文章題の意味がわかった」とか、今まで解らなかった問題が解けた経験を増やしてあげると(要するに、成功体験を増やしてあげることです)、「考えて解く」ことの楽しさが分かってくるものです。

やがてそれが「自ら学ぶ力」(=自学力)になるわけで、学校や塾で成績がぐんぐん上がる子は、この経験が多い子供なのです。

「記憶する」学習を、それが勉強だと思っている子供たちが多いのは触れましたが、どれだけ無駄なエネルギーを使っているんだろう、と同情せざるを得ません。

これじゃ勉強そのものが面白いとはとても思えないでしょう。

「考える力」があるお子さんは「記憶」の量も少なく、省エネルギーの学習方法をとっていると言えます。

逆に、「円周率何ケタ覚えた」とか「歴上の出来事の年号をどれだけ覚えた」とか、記憶を競っている人たちをテレビ番組等で見たことがありますでしょ?

彼らはやみくもに丸暗記をしているわけではなく、自分なりの記憶術を作り上げ、「考え」て覚え込んでいるわけです。

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「理解して」「覚え」そして「考える」

では「考える」学習について、社会科を例にお話をします。

なぜ「考える」学習の話を社会科でするかと言えば、子供たちの間では社会科は「暗記科目」だと思われているからです。

保護者の方の中にもそう思われている方もいらっしゃるでしょう。

それが間違いだとは言いませんが、決して「記憶」だけで済む科目でもありません。

確かに数学と違って覚えなければならない知識事項が多いことは間違いありませんが、そうだからこそ理解して覚える必要があるのです。

次の問題をご覧ください。日本の古代史の問題です。

【問】次の出来事を、古い順に並べかえなさい。

ア.墾田永年私財法 イ.地公民 ウ.不輸不入の権 エ.三世一身の法

子供たちはこれらの出来事の年号を丸暗記しようとするか、順番を丸暗記しようとします。

これでは歴史の学習をしていることにはなりません。

歴史学習で重要なのは、時代の流れを理解することであって、理解の上に出来事を覚える作業が乗ってくるはずです。

歴史には必然性があって、唐突に出来事は起こりませんから、何らかの流れがあるわけです。

ましてや、小中学校で学習する歴史は日本史のごく一部です。

その教科書に登場する出来事は、明らかに時代の流れを大きく作り出してきた出来事なのですから、流れさえつかんでしまえば「丸暗記」の必要性はほとんどないはずです。

問題の解説をします。
ア.“墾田永年私財法”= 農地を新たに開墾した者は永久にその土地を私有してよい。
(土地の私有を認める)イ.“地公民”= 土地・人民は大王(天皇=公)のものである。
(土地の私有を禁じた)ウ.“不輸不入の権”= 荘園(私有地)への役人の立ち入り禁止と税の免除を受ける権利。エ.“三世一身の法”= 新たに農地を開墾した者は三世代に限り土地の私有を認める。
(土地の一部私有を認める)

もちろんこれらの出来事を詳しく解説すれば、これだけではお粗末なのですが、中学段階ではこれで十分です。

そして、これらは日本(大和国)を天皇中心の世の中にしていこうとする過程と、それに失敗して武士が台頭してくる期間の出来事です。

ですから、法の意味合いを理解し、年を追うごとに土地の私有状態がはっきりしてくることが解っていれば覚える必要もないのです。

漢字の中にそのことが盛り込まれているのですから(赤い字の部分)、なおさら易しいといえます。

地理の学習も同様です。

地理の場合は“流れ”ではなくて“立地条件”などを理解することになります。

例えば、なぜ明治政府は新首都東京からほど遠い北九州に、八幡製鉄所を建設したのか、であるとか、なぜ日本の工業地帯が太平洋側に集中しているのか(太平洋ベルト)などです。

長くなるのでこれで終わりにしますが、地理はこれに「考える」が加わります。

立地を理解し、場所や産業を覚えた上に「統計」を読みとって「判断する」ことが要求されます(高校入試)。

いわゆる情報処理ができるかどうかです。

「考える」学習を社会科でご説明しましたが、すべての科目について同じことが言えます。

子供たちの学習負担を軽減するためにも、「考える」学習を習慣付けてあげてください。

時間はかかりますが(受験間近になってからでは間に合わないので、なるべく早いうちに)、子供たちにとって、将来に渡り大きな財産になると思いませんか。

そして、進研の卒業生はビリで高校へ進学しても、やがて学年トップクラスの成績を取るようになるのは、「考える」学習ができているからです。

これが私たちが子供たちに持たせる財産なのです。

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